「誰々の友達」の4つの言い方
英語では「私の友達」「彼の友達」「父の友達」のような「○○の友達」と言う時に次の4つの言い方があります。
- one’s friend
- a friend of one’s
- one of one’s friends
- a friend
これらの違いについて備忘録を残します。
先に言っておきたい大事なこと
4つの言い方の全てに当てはまる大事なことを先に言っておきます。2つあります。
1. 単数、複数どっちでも使える
タイトルでは「friend」と単数形で書いていますが、複数の友達を指したい場合は複数形で言うことができます。
2. 「my friend=1人しか友達がいない」は間違い
よくそういう話がネット上で見かけられます。
「my friend=1人しか友達がいない」という意味になる
「they are my friend=彼らしか友だちがいない」という意味になる
これらは誤りです。
どんな場面や文脈であっても、そのように相手に誤解されたり受け取られることはありません。
3. でも「one’s two friends」には注意
例えば「私の2人の友達」のことを言いたくて「my two friends」というと、これは「あなたの友達が全員で2人しかいない」ということになります。その人の英語力や文脈から「そんなことはない」と相手は理解してくれるでしょうけどね。
もし「友達2人」を言いたい時、普通は「two of one’s friends」を使います。(後述)
では本題に入ります。
one’s friend
one’s friendとは、例えばこういうやつです。
- one’s friend
- my friend
- his friend
- your friend
One’sはmy, his, her, ourなどの所有格を意味しています。
日本語での人称代名詞 | 主格 | 所有格 | 目的格 | 所有代名詞 | ~は/~が | ~の | ~を/~に | ~のもの |
---|---|---|---|---|
私 | I | my | me | mine |
あなた | you | your | you | yours |
彼 | he | his | him | his |
彼女 | she | her | her | hers |
私達 | we | our | us | ours |
彼ら/彼女ら/それら | they | their | them | theirs |
one’sのほうがofよりも結びつきが強い
次の項目で「a friend of one’s」にも触れますけど、例えばmyとof mineだったら、myのほうがその対象との結びつきが強いです。my fatherとは言うけどfather of mineとは言わないでしょ?下の曲みたいに、なくはないですけど。
Everclear – Father Of Mine
one’s friend=特別な友達、特定の友達
- 眼の前にその友達がいる時(誰であるか、聞き手が特定できる時)
日本語でも、例えば自分の友達を誰かに紹介する時に、「彼は私の友達です」、もっと言えば「彼は私の親友です」と言ったほうが友達は喜ぶでしょう。
でもそれを「彼は私の知り合いの1人です。でも付き合いはほとんど無いんですよね。あくまで知人のうちの1人って感じですね」みたいな紹介されたら友達は絶対にイラっとするでしょう?
上の言い方は極端ですが、「a friend of」にはそういう疎外感というか、他の友達と並列で扱っている感じがあります。だから本人が眼の前にいる時や、聞き手がそれを特定できる時には使いません。
限定詞は並列配置できない
- this my friend
- He is a my friend
これらは使えません。なぜかというと、限定詞は並列できないからです。
日本語だと「私のこのペン」とか言うことができますが、英語では「this」「my」を並べて使うことは出来ません。
限定詞については以前書いたのも参考にしてください。
英語で形容詞を複数使う時の順番と覚え方
冠詞「a」は要らない
I’m a his friend. (誤)
I’m his friend. (正)
「a」は不要です。不要というか上の話と同じで、「a」と「his」はどちらも限定詞で、並べて使うことが出来ないからです。
a friend of one’s
a friend of one’sとは、例えばこういうやつです。
- a friend of one’s
- a friend of mine
- a friend of his
- a friend of yours
- a friend of my father’s
one’sはmine, yoursなどの所有代名詞です。
日本語での人称代名詞 | 主格 | 所有格 | 目的格 | 所有代名詞 | ~は/~が | ~の | ~を/~に | ~のもの |
---|---|---|---|---|
私 | I | my | me | mine |
あなた | you | your | you | yours |
彼 | he | his | him | his |
彼女 | she | her | her | hers |
私達 | we | our | us | ours |
彼ら/彼女ら/それら | they | their | them | theirs |
後ろの「friends」が省略されている
本当の形は「a friend of one’s friends」です。
- a friend of mine friends(私の友達のうちの1人の友達)
- a friend of his friends(彼の友達のうちの1人の友達)
- a friend of yours friends(あなたのの友達のうちの1人の友達)
- a friend of my father’s friends(父の友達のうちの1人の友達)
日本語でもそうですが、この表現はクドいですよね。なので、普通は後ろのfriendsはほぼ例外なく省略されています。
本人不在や特定できない時に使う
- 本人不在の時
誰かに自分の友達の話をする時、「知り合いがさ~」みたいに言う場合。その友達が具体的に誰であるかが聞き手にとって重要ではない場合。
- 特定できない時
「あー、私の友達にもそういう人が(何人か)いる」みたいな場合。
それが誰であるか、聞き手が特定できない場合、特定する必要がない場合。(本人不在の時に近い)
複数形の言い方
2人とか3人とか具体的な人数がある場合
- two friends of mine
私の2人の友達。
数字を付けてfriends と複数形にすればいいだけ。
最初に説明しましたが、my two friendsは基本的に使えません。
文法的には問題ありませんが、これは「私のたった2人の友達」みたいな意味になります。ほかに友達はいないという意味です。
参考:(My two friends と Two of my friends はどう違いますか?|HiNative)
抽象的な人数の場合
抽象的な複数の人数を表現する時によく使うのがSomeとSeveralです。
- some
具体的人数や名前はイメージできていないし、表すことができない。5人かもしれないし、10人かもしれない。漠然としてる。
- several
4~5人程度で、人数や名前はイメージできていて、「名前を挙げろ」と言われれば全て具体的に挙げることができる。
- some friends of mine
私の何人かの友達
- some of my friends
私の友達の何人か
- several friends of mine
私の何人かの友達
- several of my friends
私の友達の何人か
Several=いくつかの=い・く・つ・か・の=5文字=5人くらいと覚えよう。(って大西泰斗先生が言ってた)
意味に違いはない
それぞれに大きな違いはありません。書く時や話す時に、発話者の言い回しが違うだけです。
someの場合とseveralの場合とでは人数の具体性で差がありますが、「friends of one’s」と「of one’s friends」は同じ意味を持ちます。
参考:(some friends of mine と some of my friends と my friends と friends はどう違いますか?|HiNaitive)
one of one’s friends
one of one’s friendsとa friend of one’sの違い
- one of one’s friends
- a friend of one’s
この2つはほぼ同じ意味です。じゃあ何が違うかというと、こうです。
- one of one’s friends
自分の友達のうちの1人。
friendsとあるように、複数いる友達のうちの1人という意味。つまり、友達が1人しかいない人には使えない表現。- a friend of one’s
自分の友達のうちの1人。
漠然と「1人」と言っているので、たとえ友達が1人しかいなくても使える。もちろん2人以上いても使える。
つまり友達が2人以上いる人はどちらを使っても問題無いということです。
参考:(He is my friend.は「私には彼しか友達がいない」という意味になるのですか。|英語教育図書出版 美誠社)
a friend
これは一番抽象的な表現ですが、一番無難で一番シンプルとも言えます。
上で説明した表現は、どれも聞き手が「誰の友達なのか」を理解してもらうための補足に過ぎません。言わなくても聞き手が分かるのであれば、この表現でもいいのです。
他の表現とも大きな差はありませんし、書くのも打つのも言うとも手短に済ませることができます。上記のほかの表現との違いはほぼなく、「発話者の表現のゆらぎの範疇」です。
参考:(some friends of mine と some of my friends と my friends と friends はどう違いますか?|HiNaitive)
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