英語は右へ展開しろ!

最近、NHKしごとの基礎英語という番組を見ているのですが、そのなかで講師をしている大西先生がしょっちゅう口にするのが英語は右へ展開しろ!っていう基本なネイティヴの感覚です。
その話を聞いて、自分になりに飲み込めたものを記しておきます。

大事なことから述べる

これは、最も言いたいことや優先順位の高いことに述べて左に置き、詳細は後からどんどん右へ付け足していく、と言うものです。
例えばこんな具合です。

もしかしたら、ハワードさんが工場の社長に直接連絡を取れば発売日を早められるかも。
ハワードさんは、彼らが生産スピードを上げられるか聞くことが出来るわ。

Perhaps the launch date could be earlier if Ms. Howard contacts the president of the factory directly.
She could ask if they can increase production speed.

上の文がネイティブの表現みたいです。
でも一旦日本語で考えて、それを日本語の語順のまま英語にしようとするとたぶんこうなります。

ハワードさんは、彼らが生産スピードを上げられるか(工場の社長に)直接聞くことが出来るから、
もしハワードさんが工場の社長に連絡を取れば、もしかしたら発売日を早められるかも。

Since she could ask if they can increase production speed directly,
If Ms. Howard contacts the president of the factory, Perhaps the launch date could be earlier.

この文には3つの要素が出てきています。

  • 発売日を早められるかもしれないという希望とアイデア
  • もしハワードさんが工場の社長に連絡を取ればという仮定
  • 彼女は生産スピードを上げられるか聞くことが出来るという事実

それで、この文で一番大事なことは発売日を早められるかもしれないということなんですよね。
だから英語では最初にこれが来ます。

詳細は右へ継ぎ足していく

これは文節レベルという大きいスケールだけではなくて、文節内に於ける構文のルール、単語レベルでも見ることができます。

英文法の構成には、SVOCにするといった大原則がありますが、この語順そのものが、言いたいことから言うというルールに則しています。
例えばこんな感じです。

納期を守る方法はない。
納期に間に合わない。

There is no way I can make the deadline.

方法がない!=There is no way!と先に述べています。それが何であるかはその後に付け足しています。
これを日本語風に作るとたぶんこんな感じになるのだと思います。

納期を守る方法はない。
納期に間に合わない。

way that I can make the deadline is nothing.

英語でbe動詞が後ろのほうに来るのは主語が頭でっかちで不自然です。(てか文法合ってるのかな)

日本語の場合、仮に納期をだけ言ったら、納期を(・・・何?)と、その続きが主語なのか目的語なのかすら分からないので助詞すら付けられず、ただ漠然とした疑問しか出てきません。
納期を守るで途切れても同様です。納期を守る(・・・そこで終わり?続きあるの?何?)と漠然としています。

それに対して英語の場合は、There is no!=ない!(何が?way=方法が(何の?I can make the deadline=私が納期を守ると、次に聞きたいことや疑問点が明確です。

ビジネスの世界では、業務を迅速且つ完璧に遂行するためのルールとしてまず結論から述べよ、その詳細や言い訳は後回しにせよというものがあります。
日本語だと結構難しかったりするんですが、英語だとこれが自然と出来てるんですよね。